【そらがほんとうはひろい       
        ということをはじめてしった】

 

 

―――また退屈な一日が始まった。

 

 

昨日までの日記が恋しくなる日がくるとは思わなかった。

ここはどこだ?

ヴァン師匠との稽古中に突然襲い掛かってきた女。ルーク・フォン・ファブレの記憶はそこで一旦途切れる。今まさにヴァン師匠の上に振り下ろされんとする杖を受け止めた。次の記憶は見知らぬ空だ。

どこまでも続く空。初めて目にする世界の広さは、感動とそれから不安をルークに与えた。

しかし、その後は最悪だ。

魔物は出るし、夜は暗いし、地面は硬いし、一緒にいる女はウザいし、リンゴは美味かったけど泥棒扱いされるし。

一応イオンってヤツの助言で疑いは晴れたようだが・・・否、疑いが晴れたわけじゃねぇ。そいつの顔を立てただけの話だ。

ルーク・フォン・ファブレが泥棒の濡れ衣を着せられて、そのままにしていていいわけが無い。

ルークはティアを半ば強引に説得すると、真犯人を捕まえるためチーグルの森へ向かった。

 

 

 

それがかれこれ1時間ほど前の話。

ルークは我を通したことを後悔していた。

しかし高すぎる彼のプライドは前言を取り消すことも、ティアの言葉に従うことも潔しとはしない。

なので一行は、と言ってもルークとティアの二人しかいないが、黙々と森へと向かっていた。

どちらも嫌々だから、会話はない。

チーグルがいると言われている森の入り口に差し掛かった時だった。

「おい―――おい!」

気まずい沈黙を破ったのはルークの叫び声だった。

その声に反応したティアも顔を上げる。

木の幹に寄りかかって休んでいたのは、鮮やかな緑の髪の少年。

昨日エンゲーブで会ったローレライ教団の導師イオン。

何故導師がこんな場所に?

その疑問は導師自身の口から語られた。

いくら聖獣だからといって、魔物の行動にまで責任を感じるってのは・・・と思いはしたが口には出さない。ティアは導師の行動に感銘を受けているらしいし、2対1では分が悪い。

それでもティアはイオンの身の安全の方を優先したいようだったが、彼自身が肯こうとしなかった。まぁそんなに遠くはないといえ、こんな所に一人で来るようなヤツがあきらめるとは思えないが。

教団の聖獣であるチーグルの行動に責任を感じているイオンと、自分に掛けられた濡れ衣を晴らしたいルーク。ルークを無事家に送り届けることを至上としたティア。思惑は違えど行く道が同じ3人。こうして一行は2人から3人へとパーティーを増やし、再び森を進むこととなる。

 

 

 

途中で見つけたチーグルを追いかけ、その巣にたどりついた三人は食料泥棒の真相を知る。

自業自得だと切り捨てることはイオンが許さないだろうし、ティアはライガが村を襲うことを危惧し、ライガと交渉するというイオンを止めることはもうしなかった。

あんなにここに来ることを反対していた人間とは思えない。

原因となったチーグルの仔を伴い、ライガが住む場所へ向かうが、何故か魔物に遭遇することがなかった。

この森にたどり着くまでは何度か魔物に襲われることがあったが、森に入ってからは影すらも見ない。

拍子抜けするほどに平和な森。

「ここは魔物がいませんね」

「だからライガって魔物の餌がねぇんだろ」

ルークはもちろんのこと、イオンもこういった場所に来た経験は皆無に近かったため、森に魔物が出ないことを不思議だとは思っていなかったのだ。

「イオン様がホーリーボトルをお使いなのではないのですか?」

しかしティアは違った。

魔物と遭遇しないのはホーリーボトルを使っているからだろうと、自分たちが使っていない以上使っているのはイオンだろうと結論付けていたのである。

「この森はおかしいです。本来こういった森には鳥系やライガ族の魔物がいるはずなのに」

チーグルの仔―――名前をミュウというらしいが、こんなのブタザルで充分だ―――は自分がこの森に来たときには魔物もちゃんといたと語った。件のライガに喰われたのか、それとも別の理由があるのか?自分はチーグルの巣から出ることを許されていなかったからわからない、と。

ティアは森の異変が気になっているようだったが、「今はライガと交渉することの方が先決です」とイオンに言われればおとなしく従うだけである。

結局一度の戦闘もすることなく森の最深部、ライガがいると思しき場所にたどり着いた。

ラッキーだったのか?

 

 

 

「お待ちください。この森は異常です」

その洞穴に入ろうとした瞬間、背後から声を掛けられる。

振り向いた先には青い軍服がいた。

マルクト帝国軍の人間で、確か名前はジェイド・カーティス、大佐だったはずだ。

「ジェイド。しかし僕たちの目的はこの奥にあるはずなのです」

「異常なのはわかっています。それでもライガをこのままにはしてはおけません」

イオンとティアとほぼ同時に中へ進むことを訴える。

ふむ、と頷いて軍人はルークの方を見た。

その赤い瞳に一瞬たじろぐ。

「そちらの彼は?」

「ここまできて何もしねぇで帰れるか、ってんだ」

「ボクも頑張るですの」

聞かれてもいないのにブタザルも答える。

「よろしいでしょう。私も一緒に行きますので、先ずは隊列を組み直しましょう」

その言い草に交渉の失敗を想定していることがティアにはわかったが、何も言わなかった。イオンも非戦闘員だからか何も言わない。

ルークは、多分わかっていなかった。

外の世界は自由だと、そう思っていたから。思い通りにならないものなんてないと、長年思い続けてきた憧れはこの2日間で幻想だったと理解し始めていたが、それでもまだ捨てきれていなかったから。

「では、行きますよ」

ジェイドを先頭に洞穴の中に足を踏み入れる。一番HPの高い人物を盾にするべきだとう提案が何故か採用されてしまったのだ。

「本来なら私は後衛担当なんですけどね」とそう言いながらも彼は先頭に立つことを断りはしなかった。ルークに先頭を任せるぐらいなら、自分で行く方を選んだのだろう。

 

 

 

張り巡らされた根の隙間から降り注ぐ光。

自然が作り上げた奇跡とでも言うべき空間には、男が一人。

短く刈り込まれた銀の髪。何処かの軍服のようなきっちりとしたものをだらしなくならない一歩手前まで着崩している。後でティアから神託の盾(オラクル)騎士団のものだと聞いた。たぶん、とついていたのはその見事なまでの着崩しっぷりに不安になかったからかもしれない。

こちらの存在に気付いているはずなのに、手にした紙の束から目を話そうとはしない。

「お待たせしました、と言うべきでしょうか?」

慇懃としか呼べないようなジェイドの態度に、眉一つ動かすことなく男は立ち上がった。緩慢とした動作で書類と思しき紙の束や筆記具をしまい込む。

「あぁ、待たせてもらった。道中の掃除はしておいたはずだが、随分時間がかかったな」

おかげで報告書が一つ片付いた、と感謝しているのか馬鹿にしているのかわからない呟きをもらす。

「あれはあなたが…」

ホーリィーボトルを使うまでもなく、一度の戦闘もなくここに辿り着けた理由を知る。

「説明役が必要だと思ったんでね」

余計なお世話だっただろうか、と。

「それに、あんたらにイオン様を任せてはおけないんでね。――お迎えにあがりました。イオン様」

最後だけ態度が違うのは、彼がイオン以外に重きを置いていないからなのだろう。

ジェイドがイオンを背に庇う。

「ここにライガがいると聞いたのですが?」

「あぁ、こちらで片付けた。ダアトに依頼が来ていたからな」

「何故ダアトに?マルクト軍にというならわかりますが」

「そのマルクトからの依頼だ。下手に自軍を動かせばキムラスカを刺激しかねない。名君かどうかはしらないが、馬鹿ではないらしいな」

後ろからでは表情は確認できなかったが、ふっ、と鼻で笑ったのはジェイドだろうか。自国の皇帝を馬鹿にされたにしては、おかしな態度だ。

「それは、褒め言葉と思うべきでしょうか?」

「俺はそのつもりだけどな」

不敬罪で訴えられてもおかしくないようなことを、平気で口にする。マルクトとはそういう国なのだろうか?キムラスカとの違いに驚く。いやキムラスカだってそんなに詳しく知っているわけではない。

外の世界は驚くことばかりだ。

「自分の知らない命があったことが、そんなに不思議か?」

「私もすべてを知らされているわけではありませんから」

「知らされてはいないが、知っている。あんたの存在は国の秩序を混乱させる。まぁあの皇帝なら混乱などものともしないだろうが」

「よくご存知のようですね」

「おうおう。視線で人が殺せそうだなぁ〜。あんたの皇帝に自分の知らない交友関係があったからって・・・嫉妬か?」

笑顔での応酬。ジェイドの表情はわからないが、きっと笑顔なはずだ。

笑顔の相手に怒りの形相で向かっても勝ち目がないことぐらい、ルークにもわかることだったから。自分の短い過去の記憶から、負けっぱなしだったことを思い出す。

そういえばあの過保護な使用人は今ごろ自分を探しているだろうか?心配性の母親は心配しすぎて体調を崩してはいないだろうか?ルークは二大笑顔を思い浮かべて、少しだけ屋敷が恋しくなった。

「ちょっと待ってください。ここにライガがいると知っていたのですか?」

思わず、といった感じでイオンが飛び出す。

「マルクトに来たのは食料泥棒に対する依頼だったと聞いています。たかが、といえば怒られるでしょうが、たかが食料泥棒に軍を動かせば、キムラスカへの宣戦布告と取られかねませんので、中立であるダアトに回ってきたのでしょう」

本当にイオンに対する時だけ態度が違う。

「だったら、なんでまだ食料泥棒が続いているんだよ?」

おかげで泥棒扱いされたんだぞ、と。

「報告を怠ったのはわざとだ。タルタロスの移動方向から推察するにイオン様があの村に立ち寄るだろうことは予想された。イオン様ならチーグルの仕業かもしれないと思えば、確かめに来るだろうこともな」

「ライガさんはもういないんですの?」

ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、ブタザルが嬉しそうに尋ねる。

「なるほど、チーグルとは人語を解するものだったな。報告しなくて悪かったな」

足元まで近づいてきたチーグルの仔の頭をぐりぐりと撫ぜる。

「ありがとうですの」

向けられた目の優しさに吃驚する。あんな表情もできる人間なんだ、と。先ほどまでのジェイドとのやり取りは笑顔であっても目は笑っていなかったから。

しかし、再びジェイドを見た顔は先ほどまでと同じものに戻っていた。

「あんたがついてきたのは予想外・・・いや、予想はしていたが思ったより早かったな」

ジェイド抜きで3人と1匹だけでここに現れたのなら、イオン捕獲―――向こう側からすれば奪還なんだろうが―――は容易かったのだろう。

稽古でヴァン師匠(せんせい)と対峙したときの様な、どうあっても勝てないと思わせる雰囲気が男にはあった。

「導師イオン。共にお戻りください。あなたの志は立派だとは思いますが、やり方はいただけません。あなたの仕事は現場を走り回ることではないでしょう。命じてください。あなたにはその権利がある。形とはそういうものですよ」

「あなたは何を・・・」

イオンが言い終わる前に、足元のブタザルを蹴飛ばし男が大きく後ろに下がる。

「炸裂する力よ、エナジーブラスト」

男がさっきまで座っていた岩が砕ける。

「良い反応です。しかし次ははずしませんよ」

「ジェイド、何を・・・」

「連れ戻されては困りますので」

ブタザルはコロコロと転がって、ルークの目の前で止まる。

ティアはチーグルの仔が蹴られたことを怒っているが、あれはジェイドの譜術から庇っての行動ではないだろうか。あのままあの場にいたら譜術に巻き込まれるか、砕け散った石の直撃を受けるかのどちらかだったようにルークには見えた。

譜術には指向性があるのだということは後で学んだ。集団で戦闘なんてしたことがなかったのだから、仕方ないだろう。

だからチーグルに当たることはなかったと言っていたが、砕けた石に味方識別なんてできないだろうから、やはりあの男の行動はチーグルの仔を守ってのことだったと思う。

意外といいヤツなのかもしれない。敵だけど・・・。

いや本当に敵なのか?

一緒に隊列を組んだりしたからそう思い込んでいたが、ジェイドってヤツだって敵国の軍人じゃねえか。ティアもイオンも成り行きで一緒にいるけど、敵じゃないなんて保障はどこにもない。

「唸れ烈風!大気の刃よ、切り刻め!タービュランス」

巨大な竜巻が男を襲う。避けきれないと悟った男はマジックガードで竜巻が去るのを耐えるつもりのようである。

「いけない」

何かに気付いてティアが悲鳴をあげる。その視線を追って理由を知った。

譜術の影響が思ったより大きかったのか、竜巻が天井の根を引き千切った。

その根には大きな岩が絡まっており、今にも落ちてきそうである。

咄嗟にティアはイオンを連れ入り口付近まで下がる。

ルークは岩の落下地点を確認しようとし、そこにブタザルが転がっていることに気付いた。

その後の行動は無意識だった。

チーグルの耳を掴むと、そのまま入り口まで走る。

壁に手をついて息を整えていると、背後ですごい音がした。間一髪だった。

振り向くと、無傷ではないようだが男はそこに立っていた。

「なるほど。本質は同じということか」

男はこちらを見ていた。戦いの最中に随分と余裕だ。

ルークと目が合うとスーッと細められる。先程ブタザルに向けた顔と同じだった。

「状況判断も満足にせずに譜術を放つとは、らしくないなぁ〜。死霊使い(ネクロマンサー)

右手を剣の柄にかける。

今まで防戦一方だったが男が反撃に転じるというのだろうか?

ルークとティアもいつでも参戦できるようにと、それぞれの得物に手を伸ばす。

その時風が通った。

背後からの接近にまったく気付けなかった。

パコーンと、やけにいい音が響く。

現れた男の手には何故かハリセン(ちなみに攻撃力800、命中+30、幸運+30の代物だ)

「何しやがる」

男の仲間ではなかったのか?

「迎えにきた」

やっぱり仲間だった。

「つうか、その手の物はなんだ」

「武器(つっこみ用)」

何か聞いてはならない言葉が隠されていたようだが・・・聞かなかったことにしよう。

「ったく、タービュランスなんかガードしたって防ぎきれるものじゃないだろう」

そう言って第二の人物は腰に吊るした道具袋から何かを取り出し、もう一人に渡す。

「アップルグミか。レモンの方が良かったな」

「アップルの方が好きだと言ってなかったか?」

「味はアップルの方が好きなの。でも今必要なのはレモンだろ」

「二つ食えばいいだけだろ」

「なるほど」

ポンと手を打って自身の道具袋から何かを取り出して口へ運ぶ。

「時々非常に馬鹿だな」

「つうかさ、アップルグミ一個分はおまえのツッコミが原因だぞ。だいたいなんでハリセンなんだ(しかも改造済み)」

「私は元来戦闘要員ではないのでね」

「教えただろ」

腰に吊るされた剣ははったりだとでもいうのだろうか?見るものが見ればそこそこ使い込まれているのがわかる。もちろん中古品だという可能性もあるだろうから、それがそのままこの男の実力を測る手段にはなりえない。しかし剣を持って歩くことには慣れているようでもある。

腰に剣を吊るして歩くというのは慣れないとバランスがとれず、自分の剣に足をからませることがあるのだ。

それでルークは背中に背負うという方法をとったのだから、それはよくわかる。

「剣で殴られる方が好みだというなら、次からは考慮しよう」

「あ〜、え〜と、ハリセンでいいです。できれば武器じゃない方のハリセンがいいなぁ〜とか、思ったりして」

緊張感の欠片もない会話が続く。ルークたちの存在に気付いているのだろうか?

「まぁいい、帰るぞ」

「へ?イオン様は?」

「次の機会をねらうんだな。死霊使い相手では分が悪い」

一応わかってはいるようだ。

「それにもうすぐ日が暮れる」

「そりゃ、夜になれば多少凶暴化するだろけど、俺とおまえなら問題ないっしょ?」

「戦闘は任せる」

しかしそれでもこちらの存在は完全に無視されている。

ジェイドも先程までの殺気を納め成り行きを見守っているようだ。

「それは?」

隣を窺うとティアが何やらレンズらしき物を覗き込んでいた。

「スペクタクルズ―――レンズ越しに敵を見ると、HPや弱点がわかるのよ」

そうして役目を終えたのか、レンズはパリンと小さな音を残して乖離していった。

「それで?」

「勝てる気がしないわ」

「どっちに?」

「両方」

「非戦闘要員だって言ってたぞ」

「確かにもう一人よりは弱いわ。それでも、彼らと対等にやれるとしたら大佐だけよ」

何故強硬手段に出ないのか?

こちらの内緒話が聞こえたのだろうか、後から登場した黒髪の方と視線が合った。

「守るべき対象を危険にさらしてまで強行するようなことではない」

明らかにジェイドを揶揄っている。

銀髪はイオンの方を見ていた。

「そうそう。今度はそっちの恐〜い軍人さんがいない時に、会いに行きますね」

待っていてください、と。

デートの約束をする父親に反対される恋人たちのようだ。

イオンが肯かなくてよかったと、つくづく思う。

「おい、いい加減にしておけ」

勢いあまってそのままイオンを口説きにかかる銀髪を黒髪が止める。

「店が閉まるぞ」

「あっ林檎ジャム」

「だから先に買っておけと言ったんだ」

「仕方ねぇだろ。店はまだ開いてなかったんだから。それに割ったら困ると言ったら肯定しただろ」

「おまえなら割るだろうからな」

日が暮れる前に帰りたがっていたのは、店が閉まるからなのか?

そんな理由で無視されているのか?

「とにかく今は討論している時間がおしい。急ぐぞ」

「吹っかけてきたのはおまえだ」

入り口はルークたちが塞いでいるから、当然彼らはこちらに向かってかけてくる。

剣を構えて待ち受けようしたが、それより先に銀髪が何かを思い出したのか立ち止まった。

「お嬢さん」

一瞬誰のことを呼んだのかと、躊躇する。その呼びかけに反応したのはティアだ。まぁこの中でその固有名詞が当てはまるのは女であるティアだけなのだから、間違ってはいないだろう。

何か光るものが弧を描き飛んでくる。

それはティアの手の中にきれいに納まった。

「どうして、貴方がこれを・・・」

手の中の物がなんであるか理解し、ティアの瞳が驚愕に見開かれる。

「大事な物は手放すべきではない。縁あるものといえ手元に戻るとは限らないからな」

辻馬車に乗るために手放したペンダントだった。

「それを望んでいたからな」

ペンダントが、だというのか?

誰が何を望んでいたのか、それに答えるつもりはないようである。

ルークとティアがそれに気を取られている隙に、二つの風は通り過ぎていった。

 

 

 

「僕の価値は林檎ジャム以下、ということでしょうか?」

イオンの呟きに答えられる者はいなかった。

 

 

 

 


―――――

あとがき

 

どうにか本編始まりました。

つうか、なんでこれからUPするかな?→自分。

チーグルの森を文字通り駆け足で爆走中。

このサイトにいらっしゃる方はTOA既知であるということに甘え、色々省略した割には長かった。

ところで、どこが逆行なのでしょう?

ルーク・フォン・ファブレがあまり変わってないのは何故?

アッシュはどこに?

言われそうなことはわかりますが、しばらくはスルーして欲しいな、と。

出てきた銀髪と黒髪はオリキャラです。彼らの立ち位置が判明するのはもう少し後。今わかっているのはダアトの人間で某陛下と知り合いらしい、ってことぐらいですか?

ゲームスタート以前に彼らの過去の始まりがあります。

ん〜先にUPするべきだったか?

次はタルタロスでのファーストコンタクトの予定なのですが。

 

ジェイドが少々考えなしのお馬鹿さんなのは、ピオニー陛下の知られざる交友関係を聞かされて動揺しているからです。銀髪がピオニーの話を持ち出したのはジェイドを動揺させるためです。Lv.45のジェイドに正攻法では勝てないかもしれないので、舌戦にしました。この勝負銀髪の勝ち、でいいですよね。まぁ勝てる人物として送り込んだのですが。

 

ハリセン TOAにないのが残念だったので、勝手に武器製造してしまいました。一応データはTOSからお借りしています。攻撃力は「斬り+突き÷2」で。




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