【製作者出てこい!】

 

 

 

ルークが懐いた。

そりゃあもう、思いっきりよく懐いた。

自分やヴァンや数多いた家庭教師たちのこの七年間の苦労は何だったのだろうかと、ガイが思わずファブレ家に辞表を叩き付けたくなったのは、とりあえずルークには秘密にしておかなければならないだろう。今はまだ辞めるわけにはいかない理由がガイにはあるのだ。

ガイが嫉妬するほど簡単にルークを手懐けた二人の神託の盾(オラクル)兵―――銀髪はハル、黒髪はロイスと名乗った―――がルークたち一行に合流したのは自分とそう変わらない時期だった。それなのにこの懐きようはどういうことなのだろうか? コツがあるのなら是非とも伝授して欲しい、というのがガイの正直な気持ちだ。それほどこのお坊ちゃんは扱い辛くはなかっただろうか? 気難しくて、我儘で、世間知らずで、人見知りが激しい御子様ではなかっただろうか?

屋敷の者がよくやる失敗、「昔のルーク様」発言が彼らの口からでることはない。昔を知らないのだから当然だ。

事の発端ある神託の盾(オラクル)兵の少女やマルクト軍人のように「そんなことも知らないのか」という視線をルークに向けることもない。自分が知っていることは他人も知っていて当然とは考えていないのだろう。国や身分が違ければ常識も違ってくることを理解しているところから、彼らが他国の人間や階級の違う人間とも交流があることが窺い知れる。

だからといって屋敷の家庭教師たちのように「知らなくてもいいことです」と説明を怠ることもしないので、実は好奇心旺盛なお子様であるルークにしてみれば二人の傍は居心地がよいのだろう。

知らないことがあっても馬鹿にしない。素直に教えてくれと口にできないルークに気付けば本人も気付かぬうちに説明が終了している。「危ないから」とか「貴族の子弟がなさることではありません」なんて制止がかかることはない。もちろん教え方も的確だ。彼が何も知らないことをわかっているかのようにすべてを説明する手間を惜しむことはない。

その至れり尽くせりな扱いに、ティアあたりは顔をしかめていたが、彼らの表情が変わることはなかった。

今にも「そんなことも知らないの?」との言葉が飛び出しそうな、いや最初のころは実際に飛び出したことも何度もあった。

しかしその度に言ったティアの方が非難された。

「あんたはこの世のすべてを知っているとでもいうのか?」

事実彼女の知識はルークに比べれば世間を知っているかな程度のものであり、貴族社会や政治のことになるととことん疎い。

もっともこの件に関しては、彼らの弁護より導師の言葉の方が絶大だっただろう。

「僕も知りませんでした」

「僕も初めてです」

ルークの知らないことの半分ぐらいは導師も知らないことであったし、ルークのやったことのないことのほとんどは導師もやったことのないことだったのだ。

ルークのことを平気で馬鹿にするティアも導師には強く出られないようで、その度に押し黙ることとなる。どこか悔しそうな視線をルークに向けているが、その視線は男二人の背中が壁となって完全シャットアウトである。

当事者であるルークは気付いていないようであったが、遠巻きに眺めているガイとジェイドにはその様子がよくわかった。

なんだかティアが憐れになってくる。世間知らず度ではルークと大差ないようであるのに、何故ルークは庇護対象であって、ティアは非難対象であるのか、と。

後にその答え知ったガイは、自分がこの社会の仕組みを失念していたことを思い知る。貴族社会もそれに仕える者の立場も両方経験していたはずなのに、あるいは両方経験したからこその失念だったのだろうか?

彼らはティアに身分に相応しい振る舞いを求めていたに過ぎない。同じ神託の盾(オラクル)騎士団に所属する者として同僚の悪行を放置するわけにはいかなかったのだ。一方でマルクト軍人やキムラスカの公爵家の使用人が同じことをしても目を瞑っていたのは、その二人に意見することが越権行為にあたると判断したからだろう。

もっともその辺のことにガイが気付くにはもう少し時間が必要だった。

「女の子にそんなきつく当たらなくても」

女性恐怖症なのにフェミニストのガイらしい発言である。彼らに聞こえていなかったのはガイにとってもティアにとっても幸いだっただろう。

そんな感じでけっして良好とはいえない人間関係は継続、あるいは悪化の一途を辿っている。それでも目的が一緒である一行はメンバーを変えることなくキムラスカを目指し進んでいた。

そう、セントビナーを経てもメンバーが増えることはなかったのだ。

そこで合流すると聞いていた導師守護役(フォンマスターガーディアン)は、一行が到着した時には一通の手紙を残して次の合流ポイントに向かった後だった。

そこで一行はメンバーを違えることなく国境の砦カイツールへと向うことになったのだが、セントビナーを出た直後から臨時の守護導師役であるハルの様子がおかしい気がする。軽口と笑顔で本心を覆い隠しているのが常だったのだが、その口が重く閉ざされ表情が乏しくなったような気がするのだ。

それでもやるべき事はきっちりこなしているから、彼の機嫌が悪いということに気付いていない者もいるようだったが。

意外なのはルークが気付いているということだろう。

移動中は危険だから近づくな、と何度たしなめられても戦闘が終わる度にトコトコ近づいていっては「今の技どうやるんだ?」と好奇心と羨望の眼差しでまとわり付く。

まるでヴァンに稽古をつけてもらっている時のようだ。

剣術だけが唯一の楽しみであるルークは強い人間に憧れたのだろう。そしていくら強くても譜術士で槍使いのジェイドには興味を示さなかったのはルークが剣士であるから。流派は違うようだが同じ剣士であるハルが近くにいれば尚更だった。

そのルークが今日はおとなしく忠告を守っているのだ。

護衛対象であるルークの定位置はパーティーの中心よりやや前である。本来ならば中心となるのだろうが、先頭を行く人物の戦闘能力が桁外れなため、前方への備えはハル一人に任せ残りの戦力を後方に配した結果である。昨日まではその定位置からふらふら離れてはハルやロイスのたしなめられていたのだが、今日はそれが一度もない。子供特有の野生の勘とでもいったところだろうか。理由はわからずとも近づいてはいけないと感じているようだった。

その隣を歩く導師イオンは気付いていない。いや、機嫌が悪いことぐらいは薄々察してはいるかも知れないが、その理由には思い当たっていないようである。

護衛対象者は固まっていた方がいいだろうと導師を挟んでルークの反対側を歩くのは自らを非戦闘員であると言い切った黒髪の青年、ロイスである。彼は気付いているだろう。仕方のない奴だな、といった表情を浮かべてはいるものの注意はしないことから、彼も同様の心境にあるのかもしれないとガイは推察する。

数歩下がってティア。このパーティー唯一の回復担当である彼女は、パーティー全体が自分の譜術の効果範囲に入るように中心に位置していたが、幸いなことに彼女が実力を発揮するような場面は今のところない。彼女は多分気付いていない。というよりも原因の一端は彼女ではないかとガイは思う。

その後ろにジェイド。一応全体が見渡せる位置ということと、後方に対する備えとしてこの位置にいるのだが、襲撃に対する構えているふうではない。先頭を歩く人間の実力を信じているのか、常に戦闘体勢でなくとも遅れを取らない自信があるのか。おそらく後者であろう。彼は気付いている。おそらく理由もわかっているようだったが、そのことが道中に影響を及ぼさないのであれば、彼は放っておくような気がする。事実何もしていない。

そしてしんがりはガイ。初日、というか彼らが合流する以前はガイにべったりだったルークは、たった一晩で何があったのか、翌朝にはハルとロイスにまとわり付いていて「ガイは後ろをお願いします」というジェイドの提案に異を唱えてはくれなかったのだ。この七年間の自分の努力はたった一晩で覆されてしまう程度のものだったのか、とガイは「俺の七年間を返せ」と誰かに訴えたくなった。訴えを聞いてくれるモノなどいないとわかっているから、余計に虚しさが募る。もちろんこの配置はジェイドと同様後方からの敵に備えての陣形であり、パーティー内で最速を誇るガイであれば最後尾からだって駆けつけることができるだろうという期待をこめてのものだったが、やはり幸いなことにあまり活躍の場はなかった。先頭を務める人物の実力が桁外れだったからなのだが、その戦い方がセントビナーを出てから変わったようにガイには見えた。理由もなんとなくだがわかるような気がする。

原因は多分セントビナーで受け取った導師守護役(フォンマスターガーディアン)からの手紙。

軍人が書いたものとは思えない砕けた文章。九割以上どうでもいいのではないかと思われる内容。もしかしたら何らかしらの暗号であるという可能性がないとは言い切れないが、残念ながらガイにはそこに隠された別の意味を見つけることはできなかった。ジェイドもそこに綴られた言葉以上のことは語らなかったから、本当に文面通りの意味しかないのかもしれない。いやそれがジェイドにのみ向けられた暗号であったのなら、彼がその内容を公言することはないだろう。ダアトの軍人である導師守護役の少女とマルクト軍人の間に密約があるという問題が生じてしまうが、まだその方がマシであるように思えた。何せ文面通りの意味しかないとしたら、その文面こそが大問題なのだ。

『ついでにイオン様のこともよろしく』

恋に生きる少女には職務など二の次、三の次なのかもしれなかったが、それを隠しもしないという態度には、正直神託の盾(オラクル)兵の質を疑いたくなる。それどころかこれは導師に対する不敬ではないのか。彼女が神託の盾兵でなかったのであれば問題ない。いや神託の盾兵であっても思うだけなら問題なかっただろう。しかし口に出すことをはばかるのが普通ではないだろうか。それなのに手紙に書き残すなど安易に証拠が残る方法を選択するあたり、余程胆が据わっているのか、それともただの考えなしなのか。

ジェイドはその手紙を大切そうに懐に仕舞った。そこに隠れた意味があったのであれば当然の行動であるが、それがあろうとなかろうが後々何かに、要するに脅迫の材料として使えるかもしれないと考えたとすれば、手紙の扱いがそうなるのは当然だった。

そこに隠された意味があるのなら、読み終えた瞬間に灰にしているだろうし、ルーク宛を装っていたとしても、ルーク本人に見せることはないだろう。隠された意味などないのだ、とは後にロイスが述べた見解である。

「あの手紙は我々で回収したかったのだが、あの軍人から奪い取るのは難しいだろうな」

思いがけず聞こえてしまった本音に、ガイは誰の味方をするべきか頭を抱え、結局沈黙を選んだ。

手紙の内容がダアトで公表されれば、それを書いた人間は導師に対する不敬を理由に処分されるだろう。少なくとも守護役を続けることはできないはずだ。

だからといってそれがマルクト軍人の手にあるということは、弱みを握られているようなものである。マルクトが彼女をどのように利用するのかを考えれば、神託の盾騎士団としてもそんな危険人物を身内に置いておくわけにはいかないだろう。

どちらにしても処分を免れる術はないように思えた。

身から出た錆とはいえ彼女は自分で自分の首をしめたようなものである。本人はきっと気付いていないのだろう。合流後の処遇を考えると、ガイはまだ見ぬ少女へ同情の眼差しを向けた。

もっともそのことをハルが知れば「同情するなら俺たちにしてくれよな」と言ったことだろう。

彼らがこの一行に同行する理由はローレライ教団に迫った危機を回避するためだった。つまり導師が失われるという事態の回避である。ダアトに連れ帰ることができればそれに越したことはないのだろうが、当の本人がそれを拒否している以上同行して守りきるしかない。

そうして実際に同行してみれば次々と明らかになる教団の不祥事。

ハルが不機嫌になるのも当然だろう。

ファブレ公爵家で兄妹喧嘩―――男二人はこの件を『兄妹喧嘩』で片付けたがっている節がある―――をしたあげく公爵家の一人息子を巻き込んでしまったティア。

和平のためにとった行動であるとはいえ、結果としてマルクト軍を誘拐犯にしてしまったイオン。

そして導師守護役(フォンマスターガーディアン)の守護役らしからぬ言動の証拠をマルクト軍人に握られてしまっているという状況。

それらが積もりに積もっていつもの飄々とした態度を貫けなかったのだろう。

意外と人間らしいところもあるんだなぁ、と妙なところで好感を持ってしまったガイである。

そんなことをつらつら考えてせいか、気がついたら本日の野営地に到着していた。

結局今日も一日歩いていただけだった。

一人で戦闘を引き受けていた男は別に疲れた素振りも見せず野営の準備に勤しんでいる。後ろにルークを引き連れて周囲にホーリーボトルを撒いている姿はいつも通りだ。一日歩いて気持ちが落ち着いたのだろう。

ルークは移動中近づく度に追い払われ続けたことへの反動なのか、食事休憩や野営の時などはハルの傍にいることが多かった。ハルも危険がないと判断すれば傍にいることを制止することはないし、楽しそうに話し相手を務めている。今日は一日中傍に寄れなかった影響かいつにもましてべったりなようだ。

「あんまり悩みすぎると禿げんぞ〜」

「わぁ」

ガイは叫び声を上げて飛び退る。

突然耳元で囁かれれば驚くのは当然なのだが、ルークはガイの反応が女性に触られた時の反応に似ていたためか、きょとんと首を傾げた。

「ハルは男だぞ?」

わかっています。わかっているから、そういう理由で驚いたんじゃないから。

ニヤニヤ笑いのハルはどう見ても面白がっているようにしか見えない。

「嬢ちゃん二人が軍人らしくないことには目を瞑って、ついでにダアトの軍人がすべてあんなだとは思わないでもらえるといいんだけどな」

仏頂面で食事の仕度をしているガイが何を考えているのか察し、声を掛けてきたのだろう。

ルークは物珍しそうにガイの手元を覗き込んでいた。

次々と形を変えていく食材に「すげぇ」と感嘆の声を漏らす。

心ここにあらずのわりには、比較的普通に料理をしていたらしい。無意識とは恐ろしいものだ。

ロイスはここで野営をすると決定した瞬間にさっさと寝床を整えて仮眠に入った。これはいつものことであり、ルークも何か教えて欲しいことがあったとしても睡眠中の彼には近づかないようにしていた。

「軍人ってみんなあんなんじゃないのか?」

ただでさえ何も知らないのに益々ルークの常識がおかしな方へ向かっていく。

ハルは「はあ〜」と大きな溜息をついた。

「俺も褒められたもんじゃあないが、アレよりはマシだろうよ。自覚がなければ倫理(モラル)もねぇ。まぁ謡将の妹はあれだ。軍人ごっこだからなぁ〜。兄の傍にいるためだけに神託の盾に志願したんじゃねぇの? 兄の方も妹を傍に置いておくために身分を与えたってところか? なんで大詠師に預けたのかは知らねぇけどな。あっちの方が血生臭くないと思ったからなのか、それとも人質にとられたのか・・・」

「人質?」

「謡将と大詠師モースは仲が悪いってことか?」

無意識の発言だったのか、二人にその意味を尋ねられたハルは「やべぇ」と肩をすくめた。

「教団の内情をベラベラと喋ったなんてことがバレたら、首が飛ぶかなぁ〜」と独りごちると「内緒にしてくれ」と念を押す。

現在目付け役は睡眠中で制止できなかったのだ。「なんのためのお目付け役だよ」と自分のミスは棚に上げてみたところで事態が好転することはないだろう。

「内緒にするから教えてくれよ」

なんてルークのお願いに苦笑しながら話してしまうあたり、目付け役が必要だと判断した人物の評価は正しい。しかし目付け役が寝ていて役に立たないということは計算外だったのだろう。

「仲良しこよし、には見えなかったけどな。まぁ偉ぇヤツの本心なんて末端には伝わねぇもんだよ。仲がいいから預けたのか、仲が悪いから預けたのか」

「でもティアはモースってヤツを尊敬しているみたいだったぞ」

「ふ〜ん、そうなのか? じゃあ、自分で志願したって可能性もあるっつうことか?」

「公爵家に忍び込むほど思いつめていたんだ。兄の庇護下を外れるために大詠師を選んだのかもな」

「そうだよ。なんであいつヴァン師匠を・・・」

拙い、ぶり返した。

ガイの失言に、ハルが顔をしかめる。ティアの公爵家襲撃の話には触れて欲しくはなかったのだろう。

「あぁ〜もう。そのことは、さ。行き過ぎた兄妹喧嘩。そういうことにしといてくれって。坊ちゃんを巻き込んだことは償わせなきゃならねぇだろうけど、あの様子じゃあ本人には無理っしょ。罪の意識が皆無だもんなぁ〜」

「だから、あんたたちが来たのか?」

「本命は導師。だがな、知っちまった以上ちょっとは点数を稼いでおきたいと思ってね」

ルークが不思議そうな顔でハルを見上げる。世間擦れしていないお子様には難しかったようだ。

しかしルークの疑問は突然割り込んできた女の声に解消されないまま先送りとなった。

「ちょっと、あなたの同僚、どういうつもりなの?」

野営の準備を手伝わないことにティアが不満の声を上げる。

「みんなで旅をしているのだから、みんなで準備をするのが当然でしょ。一人だけ寝ているなんて非常識だわ」

さも自分が常識を持ち合わせているかのような発言に、ハルが嫌そうな顔をする。

「すべてのものはすべからく平等、か。そういう考え方があることは知っちゃあいるが現実的じゃあねぇな。平等ごっこがしてぇんだったら同じ思想の持ち主とだけやってくれ」

キムラスカ貴族とその使用人。ローレライ教団の象徴である導師とそれを守る役目にある神託の盾騎士団の兵士。それからマルクト軍人。これだけ雑多な階級の人間が集まっている場所で「みんな一緒」は確かに現実的ではないだろう。

「そんなつもりはないわ」

導師を同列に扱うことなんてできない、と。一応導師だけは例外であったようだ。

そういえばルークがハルの手伝いをしていることを疑問には思っていないようである。ちなみにルークを制止するのはガイの役目なのだがそれを怠るあたり、ガイにはティアのことを非難できない。

「彼は私と同じ神託の盾の一員だわ」

ハルが注意しなのであれば自分が、と寝ているロイスを起こそうとする。

「起こさなくたっていいだろ」

ティアの行動を制止したのは、意外にもルークであった。もっともその声が大きすぎてロイスが起きてしまったというのは、ルークらしいといえばらしいのだろう。

「ゴメン」

ルークが謝ったことにガイは奇妙なものを見たような顔をするが、謝られた方はそれがどんなに珍しいことなのかわかっていないので、自然に手を伸ばしてくしゃりとルークの髪を掻き混ぜた。

「だぁ。おまえ、それ、一応、貴族のお坊っちゃん」

ハルが慌てて制止する。これでは立場が逆である。

「それ」とか「一応」とか言っている時点でどっちもどっちだとは思う。それにされた方は嫌がってないようだし問題はないんじゃないか、と思うガイの認識は甘い。

「俺、気にしてないし。つうか普通に扱ってくれる方がいいし。第一他の奴だって・・・」

その最たるはガイだろう。使用人に頭を撫でられることを許すお坊ちゃんの方も問題なのだが、それは自分たちが忠告してもよいことではないだろう、と口に出すことはしない。

「他のヤツと一緒にすんなって。いつもは場ぐらい弁えているはずなんだけど・・・・・・って、おまえ、寝惚けてんだろ」

そう言ってハルが手早く準備したのは琥珀色の液体。

存在は知っていても口にしたことのなかったルークは好奇心に負けて一口貰って「にげぇ〜」と吐き出した。

熱い珈琲のおかげで目が覚めたのか、未だルークの髪の感触が残る掌を見つめる自分の仕出かした失態を反省中。

「やぁ〜と、お目覚めかな?」

からかう同僚に空になったカップを投げつける。睨みつけているのかと思えば、何かを訴えかけていたようだ。

自分が寝ている間に何があったのだ、と。

視線のみの問いかけに望む答えが返ってくるあたり付き合いの長さが窺える。

「嬢ちゃんはおまえの手料理が食べたいそうだ」

「そうは言っていません。みんなが野営の準備をしているのに一人だけ寝ているのはおかしい、と」

「おかしくないだろ。ロイスは俺たちが寝てる間の見張りをしてて夜中は寝てねぇんだから」

ルークが気付いていたことに驚くべきか、ティアが気付いていないことに驚くべきか。

この数日間ロイスの睡眠時間は夕方の野営の準備中と早朝出立の支度をしている間。それから日中に時々とる休憩の時に数分ずつといったところだろうか?

「あなたたち、彼一人に見張りを押しつけていたの?」

信じられない、って信じられないのはこっちである。「君も同じじゃないのか」と思っていても口にしなのはフェミニスト故か。

「私は一応交替するといったのですけどね」

ジェイドか心外ですと首を振る。

ガイも交替を申し出て断られていた。ハルとロイスの間では最初から役割分担が決まっていたのだろう。そこに言葉は必要ない。

ティアは「そうだったの」と幾分眦を引き下げる。

「知らなかったわ。ごめんなさい。寝ていてくれていいわ」

貴重な睡眠時間を奪っておいてそれで済ますつもりか?

その「ごめんなさい」も起こしたことに対してなのか、見張りを押し付けていたことに対してなのか解りづらい。とりあえず謝ってみた、そんな感じだ。

「かまわない」

「いいのかよ?」

「きっちりはっきり償わせようぜ」と口調は冗談のようだが、ハルの目は笑っていない。

「自分の非に気付かない人間の謝罪の言葉も、上辺だけの感謝の言葉も必要ない。第一私は彼女のために見張りを引き受けたわけではない」

「そうそう。俺と導師のためだよな」

「自分と導師とルークのためだ」

「へ? 俺?」

名指しされたルークが驚いたような声を上げる。

「君がルーク・フォン・ファブレだからだ」

「さっきも話していたっしょ。神託の盾騎士団の人間が犯した罪はダアト全体の問題なんよ。罪人の首を差し出して終わりにできりゃあ楽だったんだがなぁ〜」

「総長とその妹の首ではな。簡単に落とせるものではない」

「俺としては落としたい」というハルの意見は黙殺された。「聞かなかったことにしてくれ」と言うロイスにティア以外の人間は一応の同意をみせる。ジェイドあたりはなにやら裏のありそうな笑顔なのが怖い。ティアは複雑な表情だ。自分と兄の話題だという実感がないのかもしれなかった。

「ってぇことで、神託の盾騎士団(俺たち)の手でお坊っちゃんを無事にバチカルまで送り届けて許してもらおうってぇ腹だ」

「おやおや。そのような話を私たちに聞かせてもよいのですか?」

眼鏡の奥でジェイドの瞳が妖しく光る。

「聞くまでもなく察しはついているだろうに、よく言うものだ」

「かまわねぇよ。総長が失脚しようがそこのお嬢ちゃんの首が飛ぼうが俺にとっちゃあどうでもいいことだしな。ダアトとキムラスカが戦争ってのはちょっと困るけど、そうなって困るのはそちらさんも同じなんじゃねぇのか? それともダアトとキムラスカの共倒れを狙うってんなら、色々ぶちまけてみりゃあいいさ。なぁ和平の使者さんよう」

和平の使者であることを強調されてしまっては、ジェイドにそれはできないだろう。

ここにきてやっと自分のやったことの重大性に気付いたのか、ティアが青い顔で唇を震わす。

「私は、教団に迷惑をかけるつもりは・・・・・・私の故郷の・・・・・・問題・・・・・・教団は・・・・・・キムラスカ・・・・・・戦争なんて・・・・・・」

途切れ途切れの弁明は「つもりはなかった」と言うだけでそれ以上の意味をなしていない。

「はいはい。それはもう聞き飽きたから。第一俺らに言っても意味ないっしょ。さっさと教団に戻って申し開きでも言い訳でもしてきたらどうだ?」

「申し開きも言い訳も同じ意だと思うが」

「つっこむところはそこか?」

これでこそロイスだよなぁ〜、とハルがそんな感想を抱いていることに気付ける者はない。

「おやおや、先日は彼女が処分されることないと言っていませんでしたか?」

そういえばそんなことを言っていたような気がする。

ティアの顔に血の気が戻る。

「それもルーク・フォン・ファブレが無事であれば、だ。彼が失われたのであれば、ダアトも彼女の兄も彼女を庇いきれないだろう」

「そうそう。ダアトとキムラスカで戦争勃発なんつうことになった場合も無理だろうなぁ〜ってことは、ルーク・フォン・ファブレの探索及び保護の命令なんてぇのも出てんじゃねぇの?」

「出ていたとしても彼女のことは伏せられているだろう」

「へ? なんでよ? 総長を狙ったことは本人が不問にしそうなもんだけどよ」

「最悪の事態を想定しているならば、この件に総長の妹が関わっていることは伏せているはずだ」

「おやおや、愛されていますねぇ」

「茶化している場合ではないぞ。マルクトの。そちらももう無関係とは言えまい」

「えぇそのようですね」

男軍人三人は顔を見合わせて頷きあう。代表してなのか、ハルがルークに向き直った。

「もう、どんなことをしても、絶対、無事にバチカルに帰りましょうね」

ハルがルークの肩をがっちりと掴む。

「え? そりゃあもちろん、そのつもりだけど」

いつになく真剣な様子にルークがたじろぐ。珍しくジェイドまでが真面目な顔をしている。

「さて、私の手料理が食べたい、とういことだったな?」

この状況でその話題に戻るのか?

無理やりな感があるが、今までの話から注意を逸らしたかったのだろう。誰のという追求はしない方がよいだろう。結託した軍人三人には敵いそうはない。

「やめておけ、材料がもったいない」

嬉々として食材を物色し始めたロイスをハルが慌てて止める。

初日に食べたアップルパイの味から料理が苦手とは思えないのだが。

「おまえのアップルパイは美味いが、俺は夕飯にアップルパイは食いたくない」

「そうか、ならばマフィンかドーナツかクレープなどはどうだ?」

見事に菓子ばかりである。ルークはちょっと嬉しそうに目を輝かしているが、確かに夕飯がアップルパイだマフィンだドーナツだ、というのは問題があるだろう。

ふむ、とジェイドが眼鏡を押し上げる。

「菓子以外を作った経験は?」

「ないな」

「おまえ、師団長のレシピは持ってきてねぇんだよな」

ロイスはレシピ通りに作らせれば問題ないのだが、好き勝手やらせると持ち前の研究心を如何なく発揮しまうらしい。勝敗は四分六分といったところだとか。旅の間に試してもよい勝率ではない。一度作った物のレシピは勝敗に関わらず記憶しているので、さっき出た菓子類ならば問題なく食すことができるそうだ。もちろんレシピ通りに調理すれば、という注釈がつくとのことだったが。

ハルからそういう説明を受けて大半の者はロイスの料理を食べようとは思わなくなったようだったが、ルークだけは菓子に未練があるようだ。

そしてもう一人。それでも持ち前の平等精神を発揮するティアはロイスが研究心を遺憾なく発揮して作ったクレープを食べさせて黙らされた。ちなみにクレープを選んだのは短時間でできるからだったらしい。

「やっぱり今日は私が作るわ」

そういってロイスから調理器具を取り上げる。

ロイスは一口食べた後のティアの反応に眉をしかめるだけでおとなしく器具を手放した。

ちなみに同じ物を食べて「まじー」と舌を出したルークに対しては「そうか」とかすかに笑って程よく冷めたミルクティーを差し出していた。

「確かに兄妹だな」

ボソリと呟かれた言葉の意味に気付けているのはハルだけだった。





さて食事の片付けも終わり後は寝るだけという状態になると、ガイはいつものように見張りに付こうとしていたロイスにそっと近づいた。

会話と食事の準備で仮眠を取れなかったロイスに見張りの交代を申し出る。

「ならば一時間ほど眠らせてもらうとしよう」

との返事が返ってきた。

「そんなもんでいいのか」

「無駄にした時間はその程度だろう」

元々睡眠を多く必要としない体質らしい。

「一時間経ったら起こしてくれ」

そう言い残して三秒後には熟睡である。短い睡眠時間できっちり疲れを取る。その慣れた様子に改めてロイスとハルの役割分担が適切であったことを知る。

手持ち無沙汰なったガイの目にふと飛び込んできた紙の束。

そういえば時々ハルが何か書き込んでいたような。

「取り扱い説明書?」

何かの譜業の説明書だろうか? それらしき譜業は持っていないようだったが。

譜業好きの血が騒ぐ。

夕方に撒いたホーリーボトルのおかげか、近くに魔物の気配はない。

ガイは暇だったのだ。

よせばいいのにちょっと拝借したことを後悔することになることをガイはまだ知らない。

それには譜業ではなくある人物に対する接し方の注意が事細かに書かれていた。

それが誰のことなのか、名前は明記されていなかった。

しかし製品説明よろしく書き連ねられているのは覚えのある特徴。

あぁ確かに。これだけ知っていれば初対面とは思えない扱いにも納得がいく。

しかし誰が作った物なのか。

著者の名前はない。

余白にぎっちりと書き込まれた字はハルのものなのだろう。

注釈は的確だ。思わず笑いがこぼれる。

だから誰なんだ?

その字に見覚えがあるのは気の所為だろうか?

ヴァンデスデルカ・ムスト・フェンデ!

「こんな便利な物があるならなんで俺に見せなかったんだ」

自分の七年間はなんだったのか。

かつての従者、現在の同志に向けて恨み言の一つも言ってやりたい心境だった。

後日、それとなくその存在についてヴァンを問い質したガイであったが、見事にすっ惚けられた。

当然である。

ヴァンはそれを書いた人物ではない。それどころかそんな物が存在していることさえ知らないのである。

しかしこの件がしらを切られたと感じたガイと身に覚えのないことを追求されたヴァンとの間の亀裂となったことは、それを書いた者と書かせた者にとっては予期せぬ幸運の産物だった。

 

 

 

ガイが本当の著者を知る日が来ることはない。

 

 

 

 

 

 


あとがき

 

ガイ様(何故『様』付け?)視点ですが、ほとんどルークとオリキャラ二人とティアの話でした。ジェイドがほぼ空気。そしてイオン様は完全に空気。いるのですよ。きっと遠巻きにニコニコしていると思います。ちょっとは危機感持ってください。

 

ガイは常識人だと思うのですよ。とりあえず初期パーティーの中では。

一般常識はあるのだが、自分の置かれている立場を理解していない人。

ガイはガイラルディア・ガラン・ガルディオスだとわかるまでは一使用人にすぎません。少なくともガイ自身とペールとヴァン以外の人間は彼が伯爵であることは知りませんし、ガイも知られては困るはずです。ですから一生懸命使用人を演じていたのでしょうが、どこかで「本当は伯爵なのに」という思いがあったのでしょうね。ルークと自分の間にある身分の差を演じきることができなかった。その結果がアレです。使用人としては規格外です。ですが幸運にもその使用人としては不適切な態度のおかげでルークに気に入られてしまった。ラムダスあたりはガイの態度を注意しようと思ったこともあったでしょう。しかしお坊ちゃまのお気に入りに強くは出られなかったのかな、と。

それでよく十三年も使用人のふりができたものだ、と感心しますが。七年前にアッシュからルークに交代したことはガイにとって幸運だったと思います。あのままアッシュだったら使用人失格でファブレ家を首になっていたのではないでしょうか?

どこかのプロ意識の強い女性だったら「その程度の演技力でターゲットに使用人として接触しようなんて、無謀すぎます」とか言うと思いますよ。彼女の場合短期決戦が主でしたから、その前に十三年も何をやっていたのだと怒るかもしれません。

 

ハルとロイスにとってティアとアニスは同僚です。所属は違いますが、神託の盾騎士団という大きな括りでみればそうなります。同僚の不甲斐無さを嘆くのも正すのもチクるのも問題ないでしょう。密告は褒められた行為じゃないかもしれませんが。

しかし他国の軍人やら使用人やらに対してそれはできません。なのでジェイドにもガイにも色々思うことがあったようですが、ぐっと我慢の子です。

ジェイドの行動に関してはこっそりピオニー陛下にチクるつもりでいますけど。

そしてそれを聞いたピオニーさんはこっそり許可しちゃうと思います。

「いい機会だから身分制度ってものを理解させてやってくれ。自分で撒いた種とはいえ、俺も貴族院のじじい共からねちねちねちねちねちねち言われて辟易していたんだ」

ねちねちの多さがピオニーさんの怒りのバロメーターです()

ジェイドが分不相応なのはピオニー陛下がそれを許していたからです。貴族院のじいさま方もそれをわかっているのでジェイドを注意すると同時にピオニーに進言。ピオニーとしては「非公式の場や二人きりの時ならそれでもいいが、改める必要のある場所では改めてくれよ」って感じなのですが。頭がいい割にはそのあたりを使い分けられない不器用な三十五歳軍人。それでいいのか? マルクト帝国。

ジェイドのアレは「陛下にとって自分は特別な存在なのですよ。貴方たちと一緒にしないでください」という自己顕示欲からきた無意識行動かもしれませんね。独占欲の強い子供みたいで嫌だ。そんなんでいいのか? 三十五歳。

そのうちハルの教育的指導が入ると思います。ジェイドに越権行為を咎められたハルが「てめぇのとこの皇帝に再教育を頼まれたんでね」とバラして、ジェイドが苦虫を噛み潰したような表情でそれでも笑おうとして失敗する様が見たい いや、書くのは自分。書けるのか?

 

アニスの行動って導師守護役というよりはジェイドの部下に見えませんか?

チーグルの森でも導師のことはジェイドに任せてタルタロス呼びに行っちゃうし。「大佐の命令です」ってマルクト兵も他国の軍人に託された口述の命令にあっさり従っているし。

その前の導師に対して「見張ってて」も拙いでしょう。モースに「導師を見張るように」って命令を受けていて無意識に出た言葉かもしれませんが、ルークはいいけど、ティアは咎めろよ。自分よりジェイドの方が実力あるから安心vvって言うならせめて「イオン様のことをお願いします。私の代わりにしっかり守ってください」じゃないのか?

その後も守護役の職務を無視して親書を取り返そうとするあたり、立派なマルクト軍人ですよね。2周目では一応イオン様の命令で親書を取り返そうとしたことにしましたけど、普通は「命令されても従えません」が正しい守護役の姿勢じゃないのか?

そして大問題のアニスの手紙。

『ついでにイオン様のこともよろしく』に何故ティアはつっこまない。ティアにとっても導師は『ついで』程度の存在なのでしょうか? 兄の役に立ちたくて神託の盾騎士団に志願し、兄に不信感を抱いてモースの配下となり、この時点ではモースに心酔しきっています。導師より大詠師の方が偉い、とか思っていませんか? ティアさん。「導師は教団の象徴として絶対的存在ではあるが、事実上の実権を握っているのは大詠師を含む七名の詠師たちである(攻略本より抜粋)」似た国を知っているような〜。気の所為でしょうか?

ところで、あの手紙の行方をご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。ゲームをやり直して確認している時間がなかったのでジェイドが持っていると捏造してみたのですが、ルークが持っているなら適当に言いくるめてハルかロイスに回収させなくては。

あれってアニスの導師に対する不敬と、アニスがマルクトに内通していた―――『親愛なるジェイド大佐〜誉めて誉めて♪』ではマルクトと通じていると思われても仕方ないと思うぞ。アニス―――証拠になると思うのですが。

 

この辺の証拠をきっちり集めて軍事裁判ネタを書いてみたい()

その場合被告はティアとアニスで、ルークとガイとイオンは証人。ジェイドの立場が微妙だ。証人として招集したいが、アニスがマルクトの内通者ではないかという疑いで裁判にかけられた場合、ジェイドは共犯の疑いになってしまうからなぁ〜。招集しても応じてくれないかも。(2周目ではやりませんよ〜。ヴァンがヴァンでいる限りティアの軍事裁判は無理ですから。捏造ヴァンじゃないと)

 

思いがけず男軍人三人に連帯感が生まれました。

「最悪の事態(ルークがバチカルに帰る前に死んでしまった)になった場合、ダアトは口封じのために自分たちを殺すだろう」ということが想像できてしまった三人です。

ルークが死亡した場合、ファブレ家襲撃犯がティアだということは、ダアトとしてはなんとしても隠さなければならないことです。

この時点で「行方不明のファブレ公爵家ご子息を探せ」と言う命令はあっても(ヴァンにとってもモースにとっても失えない大切な駒ですから、下手すると導師探し以上に重要な命令になっているかもしれません)その原因を作ったのがティア(主席総長の妹で神託の盾兵)であることは伏せられているはずです。キムラスカとの関係に亀裂が生じますからね。

襲撃犯はダアトとは関係ないどこの誰ともわからない人間、ってことにしておきたいはずです。教団服だったことを追及されたら服の盗難事件をでっちあげることぐらいするでしょう。ダアトの仕立て屋とかクリーニング屋とかから冤罪人が出そうです。死人に口なしですよ。怖いな、ダアト 怖いのは管理人の想像力(苦笑)

当然ティアが襲撃犯であることを知っている人間も処分されてしまうことでしょう。

ガイの立場は微妙ですね。モースは処分、ヴァンは庇うでしょうか?

バチカルを出る前にヴァンはそうなる可能性をガイに示唆し、「いい機会だからと復讐を遂げたりはしないでください。貴方の命に関わることです」とか言っているかもしれません。

そうなると、ガイも三人の仲間入りです。

成人男性四人に連帯感が生まれました。

ティアにとっては物凄く居心地の悪いパーティーになりますね。

 

ルークがティアが気付いていなかったロイスの見張りについて知っていたのは、前回の話で本人たちに説明してもらっているからです。自分で気付いたわけではありませんよ→ ガイ様

 

ガイが最後に盗み見た物に関しては後日裏話を書きます。まぁ大体おわかりだとは思うのですが。

 

ここまで読んでくださりありがとうございました。

本文以上に気合の入ったあとがきでしたorz

完読、お疲れ様でした。





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